ETHICS for YOUTH
2025年春号


[評]「赤本売りに出し」に訣別を感じます。脱皮はこの先何度も経験するでしょう。最初の一歩を踏み出しました。


[評]最後の2行に気づきと決意があります。誰もが自分という物語の主人公。作者にもなれるかもと感じさせます。


[評]「5倍」が生きています。最初は遠そうだけど到達できない数字ではない。あきらめの歌ではないと読みました。






春は心のざわめく季節です。卒業、進学、進級など、それまでの日常を離れ、異なる環境や人間関係へ身を投ずる時期。不安や別れがたさ、さびしさ、その一方で解放感もあるでしょう。心のざわめく時は文芸創作にはよい機会です。心の「内圧」の高まりは、言葉にして外へ出す力になります。
今回は「脱皮」という言葉に複数の作品で出合いました。昆虫や爬虫類が成長して古い皮を脱ぎ捨てるようすに、新しい自分になることをたとえていて、共感できる比喩です。
比喩はとっぴすぎると伝わらず、ありきたりだと印象に残りません。意外性と共感性の両立を探っていくのが、創作の面白さの一つです。
コメンテーター
エッセイスト
岸本葉子
さん
神奈川県生まれ。食や暮らし、旅のエッセーのほか、俳句にまつわる著書も多数。『俳句、はじめました』『NHK俳句 岸本葉子の「俳句の学び方」』など。

イラスト:髙田茂和
※この記事は『ETHICS for YOUTH』2025年春号(No.9)に掲載した記事に加筆したものです。
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