芸人と女子高生の“二刀流”で注目を集めるはっぴちゃん。
未来の「トークの女王」目指して奮闘中
はっぴーの風でみんなを元気に!
芸人は人をハッピーにする仕事
15歳でデビューして3年目。“現役JK芸人17歳”として活躍しているのが“はっぴちゃん。”です。トレードマークのピンクの法被をはおり、ピンクのうちわを振って「みんなにはっぴ~届け、はっぴ~の風~!」と言うのがキメのフレーズ。芸名には、「みんなをハッピーにしたい」という願いが込められています。
“はっぴちゃん。”が芸人になったのは、俳優やタレントなどを選ぶオーディション「松竹ジャパングランプリ2019」に出場し、審査員特別賞を受賞したことがきっかけでした。
「小さい頃から、人前で歌ったり踊ったりするのが好きで、小学1年からミュージックスクールに通わせてもらいました。私のママは、私が幸せなら自分も幸せと感じるような人。父と別れてから悲しそうだったので、ママやじーじ(祖父)を元気づけたくて、歌手を目指していました」
「高校のラストイヤーなのでめちゃくちゃ大変。でも、自分だけじゃない。
みんな、朝起きて、満員電車乗って、仕事して、子育てして……。生きているだけですごい。
頑張るのは当たり前やしって思います」
ところが、オーディションで審査員の目に留まったのはトークの面白さと舞台度胸。歌手ではなく「芸人」としてスカウトされたのです。
「芸人は、言葉一つで、笑ってもらったり、周りの人を明るくハッピーにできる仕事です。私のおしゃべり好きなところも生かせるし、今は芸人がすごく楽しくて、やりがいを感じています。でも、歌手の夢もあきらめていませんよ(笑)」
仕事の現場では、大物と呼ばれる芸人たちと共演することもあります。
「テレビで芸人さんとご一緒する時はとても緊張します。でも、活躍している芸人さんは、みんな圧倒的に優しくて、どんな人にも分け隔てなく接してくれます。この間、お笑いコンビ「おぎやはぎ」の矢作兼さんに、収録後にお礼のあいさつをしたら、『こちらこそだよ。元気をもらったから、明日も仕事頑張れそうだよ』って言ってもらえて、すごくうれしかった。そんな風にみんなに思ってもらえるように、これからも、はっぴ~を届けていきます」
「みんなにはっぴ~届け! はっぴ~の風~」
YouTubeでも、周りの人たちを明るく元気にしている。「まだ一度も『浴びせてもらって、いいことあったよ』って言われたことないんですけどね(笑)」(はっぴちゃん。)
行動しないと何も始まらない
“はっぴちゃん。”の名前に「。」がついているのは、占い師のゲッターズ飯田さんの「一画足すと芸能人としていい感じになる」というアドバイスがあったからです。さらに「ラッキーカラーはピンク」と教えられ、赤だった法被をピンクに変えました。
「今では小物やパンツまで、みんなピンク(笑)。ピンクがラッキーを運んでくれたんです。アドバイスをもらえたのも、ゲッターズさんのラジオ番組に相談の手紙を書いて送る行動を続けた結果。行動しないと何も始まらないので、まず行動することが大事だと心から思います」
“はっぴちゃん。”は、「落ち込んだり、失敗して後悔したことはない」と言います。
「中学の頃は、クラスメートに意地悪されたこともあったけど、落ち込んだりはしなかった。相手をするだけ人生の時間がもったいないし、結果で見返してやろう!って、ますますやる気が出ました」
後悔したことがないのは、「いつも真剣に全力投球している」からです。
「チャレンジしていい結果が出なくても、それは失敗じゃなくて、次の挑戦へのステップです。例えば、デビュー前は、全国規模のオーディションを3回受けて、全て最終審査で落ちました。でも、落ちても、また挑戦したから、今の芸人の仕事や、周りで支えてくれる人たちに巡り会うことができたんです」
はっぴちゃん。は、上沼恵美子さんのような“トークの女王”を目指しています。赤のルージュが似合うところも大好き。明石家さんまさんは、天空の人。実際に会ったらオーラがあり過ぎて、共演したことも覚えてないほどです。
夢に向かってビュンビュン行動!
2022年は大躍進の年でした。テレビ番組「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の「第16回 山-1グランプリ!!」で優勝し、現役高校生だったこととユニークな芸風とで、お笑いの世界で一気に注目を集めたのです。
「それまで、オーディションやコンテストでは2位や敢闘賞ばかり。あとちょっとが突破できないのはどうしてだろうって思っていました。初めて優勝できたのがすごくうれしかったし、芸人としてやっとスタートラインに立てた気がしました」
その喜びを真っ先に知らせたのは、いつも応援してくれるママとじーじでした。
「人は、努力すれば自然といい方向に進むと信じています。でも、これまで自分一人だけでできたことって何もないんです。家族やファン、スタッフさんなどに支えられてここまで来られました。
中でも、ママとじーじは特別です。じーじは、両親が別れた後、生活が苦しくなった私たち家族を物と心の両面で支えてくれました。10個もあった私の習い事のレッスン料を払うなど、芸能活動も応援し続けてくれています。東京で仕事がある時は、大阪から片道10時間も車を運転して送ってくれることもあるんですよ」
中学の時、将来の自分について考えるという課題が出た時に書いた「はっぴちゃん。の未来予想図」には、100歳になるまでの壮大な人生計画(?)が書かれています。
「憧れの明石家さんまさんと共演するとか、山-1グランプリ!!に出演するとか、あの頃は、夢のまた夢だと思っていたことがいくつか実現したので、かなり順調かなって思います(笑)」
仕事の現場ではよく、「若いっていいよね」と言われます。
「その場では『そんなことないですよ』って答えるけど、若さってお金では買えない最強の武器やなって思ってます。可能性は無限大。考え過ぎずにビュンビュン行動して、前進していきたいな。未来の自分が『あの時ああしておけば良かった』と思うことがない人生を歩んで、小さい夢も、大きい夢も叶えようと思います」
はっぴちゃん。のお守り
芸能に御利益のある芸能浅間神社と花園神社のお守り。ファンにもらったピンクの袋に入れて、大切に持ち歩いている。本番前には、「うまく行きますように!」と、願掛けをするのがルーチンになっている。
はっぴちゃん。
2005年大阪府生まれ。「松竹ジャパングランプリ2019」で審査員特別賞を受賞。21年に“現役JK芸人”としてデビュー。22年「ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!」の「山-1グランプリ!!」で優勝。ダンス、歌、ギター、体操、ピアノなど多くの特技をもつ。
※この記事は『ETHICS for YOUTH』2023年夏号(No.2)に掲載したものです。